浮き世離れ


人間の本質を見ようともせずに、信じたり、裏切ったり、現世は今日も忙しない。私はそれらから、いち抜けた、したくて、でも抜けて、ああ、行く充てもない。死ぬる後夜、煌めく正午、何も知らない私、名もない雑草は、踏みつけられ、強くなる、勇ましくなり、堂々と卑屈になることもなく街を歩き、大切な事を忘れ、朝焼けに涙を流すのだ。忘却の彼方。悠久へと記憶は流れて。ピエロの変に玄人好みの、無意識の偽者は死ぬに限る。死なない限り生きてるだけで周りを掻き回す。掻き回された方は、ふと気付く、もしかしたらアイツはとんでもないヤツかもしれない。騙される。当の本人は知らぬ顔。井戸端会議の横を通りすぎる。すこし冷や汗。なんてことはない、人間はそんな簡単には変わらない。人間は強固な自身の性質によってがんじがらめにされている。次第に、また気付く。裏切られた!当の本人は知らぬ顔も出来ぬまま、流される、薄汚い海のような人の憎悪に流される。同情の果ての、目につく藁。刺の山。救うことも救われることも出来ない。人間の本質とはなんだろう。誰か知っていますか。見えていますか。見えているなら教えて欲しい。私は何者ですか。私にはわからない。